かかりつけの歯科医からメールをいただきました。
内容は週刊誌で「歯科」の取材をする医療ジャーナリストの取材のことでした。
日本の健康保険による歯科医療は80年以上前の古典的なコンセプトの上にあり、
これが歯科医の不勉強を生み、保険制度の穴をくぐる悪魔の誘いに乗り
大きな社会的な不信を生んでいること。
その解決は日本の歯科の進んだ口腔健康科学にもとづくパラダイムシフトが必要であることを話しました、とありました。
そのあとに次のような文がありましたので、要約して紹介します。
歯医者選びの皆さんの参考になるかと思います。
■健康保険では「予防」は認められません。
歯科医療の使命は口腔の健康を創り、健康長寿の延伸です。
歯科疾患は、自然治癒がありません、
予防と疾患の早期発見を行い、プロケアとセルフケアのコラボにより口腔の健康が達成されるのです。
しかし、患者が痛み等の症状が出る前に歯科検診を希望しても、健康保険は認められません。
病気があり、症状が無い限り健康保険は認められないのです。
したがって歯科医は黙って、口腔の健康の大事さと、そのための口腔ケアの必要を話さず、
ただ患者さんが訴える症状で、歯を削り、歯の神経を取り、歯を抜き、歯の修繕をするだけです。
そして、やがてインプラントへ、となるのです。
予防の考えは、健康保険が認めていません。
だから社会から自然発生的には「予防の考え」が起こらないのです。
予防の考えを歯科医の責任として、自分の利益は後にして、
この大事さを患者さんに語ることです。
患者さんの口腔の健康へのモチベーションを高めるべきでしょう。
これが歯科医の使命です。生命倫理です。
でも今の日本事情ではこれを理想だ、と言います。
しかし昨今、社会は、この混乱した歯科医療の中で
本物は何かと真剣に模索しています。
心ある歯科医は「歯科の王道」を世に高く示すべき…と
かかりつけ歯科医は、歯科医に対し求めています。
健康保険が認められない日本の歯科事情です。
では、また。ごきげんよう。